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13. 神宮を撮る

18-R0017069(shadow明るく)


伊勢に来る前に小さなデジタルカメラを買った。田舎ぐらしの退屈しのぎに程度だったが、なんのなんのこれがたいした優れモノ。散歩に同伴すると
道端の雑草は美しい画像に収めてくれるし、肩にとまったトンボもリアルに再現。柿の木を剪定するじいちゃんを撮って干し柿をもらったり、川沿いを散歩するばあちゃんに「写真屋さん?」と聞かれたり、工事現場にくねくね伸びる赤いホースの撮影に苦心をしていると何を撮っているのかと道行くひとが足を止めた。小さなカメラに日常を支配されてしまったが、おかげでこれまで見えなかった風景が見えはじめ、たくさんのひとたちと知り合うことができた。
 9-CIMG9794.jpg 
そんな優れモノでも伊勢神宮にはかなわない。垣の内はもとより、外でのまつり事にも随所に立ち入り禁止の注連縄が張られ、警備員が立つ。神嘗祭の行列もこの通り(写真右)。ちょっと前へ踏み出すとすかさず制止の手が伸びる。

20年毎のご遷宮を控えて新社殿の鎮地祭(ちんちさい)、いわゆる
地鎮祭が行われたときも規制が厳しく、式が近づくともっと下がるようにとのお達し。「何も見えなくなる」とみんなでぶつぶつ言いながら下がるしかない。と、かん高い英語のスクリーミングが神宮の森にこだました

「ワタシは遠くアメリカからきた。伊勢神宮を撮るためだ!なぜ撮ってはいけないのか!!」

9-R0021592.jpg最前線に陣取っていた金髪の中年女性だ。長い望遠レンズのついたカメラを抱えて警備員に詰め寄っていた。何回か金切り声を上げたが効き目はなく、三脚をかついで荒々しく去った。 「あのヒト、この前のお木曳きでも入っちゃダメなところへ入ろうとして怒鳴り散らしていた。神苑で弁当食べたり、やっちゃダメなことばかりする」と近くにいたおばちゃんが眉をひそめた。撮れないときは、「神さんのお宮、全部見えたらお終いよ」とつぶやきながら帰ることだ。

しかし、三度撮影してもまともな写真が撮れなくて歯軋りしているまつりがある。 毎日、朝と夕に神さんに食事を奉る日毎朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)だ。神宮では毎日、古式どおりに火を起こして神さんの食事を作り、作法にしたがって内宮の天照大神と外宮の豊受大神など6神に食事を供している。まるでおとぎ話のようではないか。最高の食事を提供するために、米も塩も野菜も干物も自給自足。そうすれば神威が強まり、ご利益も大きいからというが、誰がその食事を食べるのか。食事の風景は無理としても、せめて写真で見た神主さんの先導で食事を詰めた櫃を担いで進む様子を見たい、撮りたいという思いが募る。  
 
まつりを行う神主さんたちは
前夜から館にこもって身を清め、当日は森をぬけて参道を横切って進む。そのときに写真が撮れるチャンスがあることがわかった。冬の朝食は午前9時で夕食は午後3時(夏は午前8時と午後4時)。夕食を撮影するとして、神主さんたちが館を出るのが午後2時20~25分と聞いたので、2時15分に森の出口で待ったがその甲斐なし。すでに通り過ぎた後だったのだ

9-R0016720.jpg次からは2時前に森の出口へ。ほどなく白装束の神官さん三人が森の小道をざっくざっくと進んで来られた。あれ、食事の入った櫃は?櫃はどこかともたついている間に神官さんたちはさっと参道を渡って向かいの殿へ入ってしまわれた。撮れたのは正面からのブレた写真4枚と後ろ姿がくっきり写る3枚だけ。みんなボツだ。

神主さんたちが入っていかれたのは神宮の台所、忌火屋殿(いみびやでん)で
食事はここで調理され、櫃に詰められる。そこへ身を清めた神主さんたちが到着されてお祓いをすませてから、隣の食堂、御饌殿(みけでん)へ進む。これらの手順は後にわかったことなのだが、櫃をかついで参進される姿がかいま見える場所をこの日、見つけた。注連縄の向こうに見える御饌殿へ通じる奥の細道(写真右)だ。

これでまつりの段取りはわかったぞと安心して出かけた三回目。神主さんたちの参進は今回も足早で4枚しか撮れなかった。しかし、参道の木々の間から祓所のロングショットが6、7枚撮れた。すぐに小走りで隣の注連縄へ移ったが、櫃は奥の角を曲がり最後尾が一瞥できただけ。次回は最初からここで待てばいいのいだと気落ちもせずに引き上げた。 ところが、撮った画像を再生してがっくり。木立からのロングショットは不鮮明で神官たちがなにをされているのかさっぱりわからない。(写真下)。小さいカメラではこれがもう限界か。

やっぱり一眼レフのカメラと望遠レンズを買うか。いや、大きすぎて気軽には持ち歩けないからダメだ。いや待て、併用すればいいじゃないか。伊勢神宮へ行くときは大きいカメラ、散歩しながら撮るのは小さいカメラと使い分けるのだ。ダメ、ダメ。 そんなことをしたらいつになっても大きいカメラが上達しない。小さいカメラさえ扱えないのが、大きなカメラを使いこなせるはずがない。

そんなとき、新聞に掲載された全日本写真連盟のコンテスト最優秀作品に圧倒された。金髪の男性が相棒の両手のひらを支えに逆立ちしているのだろうか、男性の金髪の頭を後ろからクロースアップで捕らえていた。つむじを中心に金髪が放射状に美しく、彼を支える相棒の肩や腕の筋肉から胸までを背景に切り取った、迫力満点の見事な写真だった。撮影者は愛知県の50代くらいの女性で、「静岡で開かれる大道芸ワールドカップに十年近く通って、やっとねらった写真が撮れるようになりました」と語っていた。

レンズを云々する前に、納得できる写真が撮れるまで
午後2時前に外宮さんのあの小道に立ち続けよというご神託か。


18-R0017423.jpg 
 こんな出来でスミマセン。後ろの神官さんが持っているのは神さんの食堂、御饌殿の鍵。   


18-R0017434.jpg
 忌火屋殿の祓所で食事のお清め。 近い将来、写真説明をしなくてもいいように精進せねば。
      

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mimosusor

Author:mimosusor
伊勢に生まれながら小さいときから都会大好き。中学校を終えると、ひとりで大阪の学校へ進み、その後は東京で就職。しかし、日本最大の都会にも物足らず、世界の大都会ニューヨークへ。あぁ、ここぞ探していたわが棲み処、もう動くまいと感涙にむせびながら腰を下ろしてから十余年。

仕事で一時帰国していたとき帰郷したのが事の始まりというか終わりというか、「ニューヨークへ帰るの、やめた。伊勢に住む!」となりにけり。

そのわけ?なんたって伊勢神宮ですよ。何十年ぶりかで訪れた伊勢神宮をひとめ見るや打ちのめされてしまったのです。なにが、なにに、なにしたのか。その顛末はブログをどうぞ。

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