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14. ご遷宮の費用

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 宇治橋も完成へ向けて着々と


2009年6月1日、晴れ渡った爽やかな朝、定額給付金1万2千円也を封筒に入れて伊勢神宮内宮へ。神楽殿のご遷宮造営資金の受付で奉賛金としてお渡しした。前日に姉に話すと、「いつもお世話になっていながら、たったのそれだけ?あんたってケチね」と褒めるどころかケチ呼ばわり。それもそうだと我が財布の金を足すことも考えたが、ご利益の配分に神さんのお手間をとらせては申し訳ない。今回はお国が全国民にばら撒いた給付金だけを奉納して混迷政治の続くこの国の安泰をお願いすることにした。 

11-R0013345.jpg20年毎に8年の準備期間を経て行われるご遷宮にはどのくらいの金がかかるのか。調べて仰天、桁が違った。
第59回(昭和48年)70億円、61回(平成5年)320億円、今度の62回(平成25年)の予算は550億円である。
いったい神宮のどこにそんな金があるのか。皇祖をまつるとはいえ、戦後は一宗教法人になった伊勢神宮に国や宮内庁から金は出ない。ならば天からお札が降ってくるのか。
 
11-R0021654.jpg最大の資本源は大麻だった。「えっ、神宮が大麻で金づくりを?!」とワタシも聞いたときは驚いたが、大麻とは神棚にまつるお神札(ふだ)だった。昔はどこの家庭にも神棚があり、身心の穢れを祓い清めて神さんのご加護をいただくために、お神札をまつっていた。 麻は弥生時代からあり、紙のない時代は神主さんがお祓いに使う、あの白紙がひらひら垂れる紙垂(しで)にも使われて大麻(おおぬさ)と呼ばれていた。
それが今では大麻というと麻薬=マリファナということになり、神社界の一部には麻薬を「大麻」と呼ばないで、を求める用語改正の動きが出てきているという。伊勢神宮はコメントを控えているが(朝日新聞、2009年6月6日記事)、何十年か前にすでに「大麻課」の部署名を「頒布部」に変更し、お神札も神宮大麻とかお祓大麻と呼ぶなどしっかり静かに対応してきている。

神宮では今もこの神宮大麻900万体を神社界の全国組織である神社本庁(東京・代々木)を通じて年末に全国配布している。この他、神楽殿での祈祷・神楽料、お神札やお守りの売り上げ、賽銭などの収益の一部をご遷宮の資金として積み立て、神職さんたちの給与からもご遷宮預金が天引きされるなどして20年間コツコツと蓄え、さらに財界・地区企業・個人などからの寄付金が加わってご遷宮の資金となる。

資金の半分近くは内宮・外宮と別宮14社の社殿の建築工事費に当てられる。必要なヒノキは1万2000本、うち半分は樹齢200年の大木でなければならぬ。伊勢には
神宮のお山がいくつもそびえ、その広さは伊勢市の1/3を占めるが、残念ながら造営に使用できるようなヒノキはない。かって日本中のひとが伊勢を目指したおかげ参りブーム。山の木は押し寄せる参拝者を迎えるための薪や炭になって、伊勢の山から森から木が消えてしまった。700年前から神宮は近隣の山々や明治時代からは木曾谷のヒノキに頼っている。これではいかぬと1923年(大正12年)に200年先を見越した神宮森林経営計画をつくり、ヒノキの植林をはじめた。その自前のヒノキが今回、正殿を囲う塀や外玉垣の柱に使われることになった。塀や垣の柱とはいえ700年ぶりの神宮の森のヒノキである。120年後には自前ヒノキだけでご遷宮の造営ができることを目指している。

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       神宮のお山の総面積は5,500ヘクタール、東京・世田谷区に相当する  

東京にいるとき近所の金物屋さんへ買い物に行くと、店主のじいちゃんが伊勢神宮ご遷宮の奉賛金集めの打ち合わせ日時をあちこちに電話連絡しているのが聞こえてきた。「あの…伊勢からなんですが…と」声をかけて事情を訊くと、じいちゃんは近くの神社の氏子代表をしているのだが古くからの商店街とはいえ近年はチェーン店などの進出が増えて奉賛金集めがままならない、と話してくれた。みんなにご遷宮の説明をするのにパンフレットがあると助かるというので、伊勢に戻ってから神宮で何種類かまとめてもらい送ってあげると、早々にお礼の電話をくれた。 年が明けた春先に店をのぞくと、「おかげで目標額を越えました」とニッコリ。正確な数字は覚えていないが、目標額が260万円で集めたのは300万円近くだった。

森が消えヒノキが貴重になってきた、このご時世に20年以上はもつ社殿を壊して巨費を投じてまでなぜ社殿を建替えねばならぬのか、後継者にもこと欠く人間国宝のひとたちが作ったご神宝を壊れてもいないのになぜ新調せねばならぬのか。そう思ったこともあったが、最近はひょっとしたらこれは必要経費ではないのかと思うようになってきた。難しいことはわからないが、この不況下に伊勢神宮は550億円を集め、下町のさびれゆく商店街でさえも300万円の寄付金を集めるのである。それはなぜか。

伊勢神宮に限らず、かってはどこの神社でも定期的に建て替えをしてきたが、長持ちがする建築様式を取入れることで定期的な建て替えをしないようになってきたという。伊勢神宮だけが「すべてを清らかにあらため、神々はいよいよ若やぎ、国も人も共に若返る…」と唱えて、古代からのやり方を千年以上も守り通しているのは
なぜなのか。

知るほどに、学ぶほどに伊勢神宮の謎はどんどん深まり、果てしなく広がっていく。ゆえに、伊勢神宮はおもしろい。そして、ワタシの伊勢住まいもまだまだ続くようだ。
 

  
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  風の神様をおまつりする風日祈宮(かざひのみのみや)の新社殿、敷地

 

 

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mimosusor

Author:mimosusor
伊勢に生まれながら小さいときから都会大好き。中学校を終えると、ひとりで大阪の学校へ進み、その後は東京で就職。しかし、日本最大の都会にも物足らず、世界の大都会ニューヨークへ。あぁ、ここぞ探していたわが棲み処、もう動くまいと感涙にむせびながら腰を下ろしてから十余年。

仕事で一時帰国していたとき帰郷したのが事の始まりというか終わりというか、「ニューヨークへ帰るの、やめた。伊勢に住む!」となりにけり。

そのわけ?なんたって伊勢神宮ですよ。何十年ぶりかで訪れた伊勢神宮をひとめ見るや打ちのめされてしまったのです。なにが、なにに、なにしたのか。その顛末はブログをどうぞ。

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