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27. はえゃ~はえ

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5月5日、猿田彦神社の裏手にある小さい神田でお田植祭が行われた。空は真っ青、後ろの山にはあふれんばかりの新緑、畦の藤棚には薄紫の花が咲きこぼれ、鮮やかな菖蒲の花が泥田に映える。そこに緋色や紺青色の古式の衣装に身を包んだ神職さんが緋色袴の巫女さんや早苗をもった稚児姿の少女たちを従えて現れるとまるで絵巻物を見るようだった。真っ黒に日焼けした田植え人たちもやや緊張した面持ちで連なる。

神職さんたちが畦につくられた祭壇に神饌を供え、稚児さんが手渡す早苗を並べ終わると収穫へのご加護を願う祝詞を奏上。笛、太鼓、ササラ、鼓の田楽の音が田圃を渡る。雰囲気が盛り上がったところで、畦一列に並んだ田植えびとがそろりと田圃に足を入れた。

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苗を植えるのは市内の御田植祭保存会の男女十人で、女性は菅笠に手甲、脚絆をつけた早乙女姿、男性は神社の紋が入った白い作業着をつけて、手元に張られた縄を目印に腰をかがめて左手に持った早苗を指先で数本ずつリズミカルに右手へ滑らせ、受けた右手で泥田にそっと差し込んでいく。進むにつれて、畦道に立つ作長と呼ばれる男性が早苗の束を投げ込んでいく。 

コシヒカリやもち米など三種の苗を一時間ほどで植え終わると農業の守り神の大黒さんと漁業の神さんのゑべっさんが描かれた大団扇2枚が登場。まずは田圃の苗がイナゴや害虫の被害にあいませんようにと団扇を使ってお祓いをしてから田圃へ入る。大きな団扇をもったまま植え終えたばかりの苗列の間を歩くのだけでも大変だろうに、五穀豊穣と大漁を祈って田圃のなかで団扇角力が始まった。 大黒さんが勝てばその年は海の幸に恵まれ、ゑべっさんが勝てば陸が豊作というわけだ。結果は引き分け。

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角力が終わるとゑびす大黒さんについて、みんなもぞろぞろ境内へ。大団扇はご本殿前に飾り置かれ、泥を洗い落とした田植え人たちが植えた苗が生えよ、生えよ、♪はえゃ~はえ はえゃ~~はえ と囃しながら登場した。田舟の櫓に似せた棒板とだいこくゑべすが描かれた扇を手にもって、そろりそろり、のんびりゆっくり、笛、太鼓、鼓、ササラの田楽に合わせて踊る。 踊るといっても棒板を上げたり降ろしたり交差させたり、それにあわせて足を出したり引いたりの動作の繰り返しだけなのだがよく見ると先頭のじいさんの動きが微妙に変る。

苗が育ち稲となって、やがて実りの収穫へ。おぉ、豊作だ豊作だ。じいさんが腰に差した藁をとって打ちながら俵をつくる仕草。新米を俵に詰めると泥棒が現われて俵をひょいと肩に。ところが豊作米が重くて足がよろけて、どっでん!大きくひっくり返る泥棒、俵を取り返そうと追うじいさん。二人の狂言もどきのコントが入る他は、のんびりゆっくり♪はえゃ~はえ と同じ動作の繰り返しが続く。単調で見物にも飽いてきそうなものなのだが、いつのまにやら♪はえゃ~はえ と口ずさんでしまう心地良さだった。

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8-IMG_2908.jpg「団扇とりで~す!」の一声にのんびりうっとり見ていた見物人が現実に目覚めてわれ先にと二枚の大団扇へまっしぐら!団扇に貼られた福の神の紙の取り合いが始まった。家内安全、商売繁盛にご利益をいただけるとあってゑべっさんと大黒さんの大団扇は骨までしゃぶられてご覧の通りの丸坊主。祭もこれにてめでたく終了。

小さな田圃の小さな祭りだったが、人類は何千年にわたって自然によりかかって生きてきており収穫への願いも永遠だという、大きなことを実感できた。それからというもの、米をとぎながら♪はえゃ~はえ、と口ずさみ、気になってときどき田圃をのぞきに行く。稲は見る後に大きくなっていて私を喜ばせてくれる。秋が楽しみだ



                         * * * 

                    ♪さみだれのそそぐ山田に 早乙女が裳裾ぬらして 玉苗植うる 夏は来ぬ

18-IMG_2482.jpg 


18-IMG_2203.jpg  

   






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mimosusor

Author:mimosusor
伊勢に生まれながら小さいときから都会大好き。中学校を終えると、ひとりで大阪の学校へ進み、その後は東京で就職。しかし、日本最大の都会にも物足らず、世界の大都会ニューヨークへ。あぁ、ここぞ探していたわが棲み処、もう動くまいと感涙にむせびながら腰を下ろしてから十余年。

仕事で一時帰国していたとき帰郷したのが事の始まりというか終わりというか、「ニューヨークへ帰るの、やめた。伊勢に住む!」となりにけり。

そのわけ?なんたって伊勢神宮ですよ。何十年ぶりかで訪れた伊勢神宮をひとめ見るや打ちのめされてしまったのです。なにが、なにに、なにしたのか。その顛末はブログをどうぞ。

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