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[C5] Re: 素敵なサイトですね

> 先日、お伊勢さんに参拝させていただいたので、おもしろく読ませていただきました。
> 伊勢に住んでいるなんて、羨ましいです。
> 大変勉強になります。
> たくさんの人たちがこのサイトを訪れますように。

応援、ありがとうございます。
この酷暑の中、よくぞご参拝を。
今度は是非、秋、冬の伊勢神宮を楽しんでください。
特に、神宮の冬が好きです。

  • 2010-09-04 08:58
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30. 阿漕が浦ぞ

18-IMG_9352.jpg
          陽が傾きかけた午後三時、板塀の奥で
伊勢神宮の神々の夕食が始まる


お能の「阿漕」(あこぎ)は伊勢参宮にやってきた旅人が伊勢国へたどりついたところから始まる。釣竿をもった老人がやってきたのでここはどこかと尋ねると阿漕が浦と教えられる。「伊勢の海、阿漕が浦に引く網も度重なれば顕れにけり」、古歌が口をついて出た。すると老人が「こうも詠まれし」と別の歌を返してくれ、阿漕が浦の謂れを語ってくれた。

かって阿漕が浦は年に一度、伊勢大神宮に献上する魚を獲る聖なる漁場で一般の漁は堅く禁じられていた。ところが阿漕という漁師が夜にこっそり網をかけはじめ、それが度重なったため神のたたりを恐れた村人たちにコモで巻かれて沖に沈められてしまった。もうずうっと昔のことなのだが阿漕は今も罪の重さに苦しんでいるので、「弔ってやってほしい」と妙な頼みを残して老人は消えてしまった。

さては阿漕の亡霊か。旅人が法華経を読み上げて弔っているとまた現れて、地獄の責苦のつらさを語り、重ねて供養を頼んで消えた。夜になると再び現れて悔悟することしきり。ところが、辺りが暗くなるや態度一変。またも網をかけ始めたではないか。 大漁ににんまり網を引き上げていると突然、網の魚が悪魚毒蛇となって阿漕に襲いかかってきた。波は荒れ狂い激しい猛火となって阿漕を焼く。「あら熱や、堪へがたや!」。絶叫する阿漕を今度は酷寒の八寒地獄が襲い、肉を裂き骨を砕く。度重なる密漁に冥土の責めも容赦がない。「旅人よ、助けたまえや!」、悲痛な叫びを残して阿漕はまた暗い海の底へと沈んでいった。

地獄の責苦を知りながら暗くなると禁を犯さずにはいられない漁への執心、その快感。生き物を殺生する後ろめたさ。長い歳月を経て亡霊になって回向を乞うるのは阿漕にまたも苦悩が生まれていたからだ。

11-R0018708.jpg「死んで久しいというのに、誰かが悪いことをすると“阿漕、阿漕”とわが名を使われ、義清と聞こえしかの歌人が忍び妻を重ねると“阿漕が浦ぞ”とそしられる」、それがどうにも耐え難いというのだ。

義清(のりきよ)とは冒頭の歌を詠んだ、ご存知、後の西行さんである。西行は何度か伊勢を訪れた後、晩年の6年間を神宮に近い二見浦に住み、神職さんたちの饗応を受けて歌会を楽しんだとされる。 (右の肖像画は神宮文庫所蔵) 
 
清貧の暮らしとはいえ、周辺にはいつも女性ありきで、政変の裏にも影がちらつくなど結構生臭い西行さんだが、阿漕ともども、わが名がこんな形で後世まで語り継がれようとは夢にも思うまい。


1190年、念願かなって満開の桜の頃に入寂された西行さんだが、今もご無事に成仏されているのだろうか。 お盆が近い。
 
                            ***


18-R0017433.jpg   

伊勢神宮では古式通りに火を起こし、神さんの水を井戸からくみ上げて季節に合わせた食事をつくり神々に供している。一年365日、朝夜一日二食、欠かすことはない。その様子は非公開だが、神職さんたちが御饌殿(食堂)の扉をあけるギィーッという音が妙にリアルに伝わってくる。 写真は神宮の忌火屋殿〈台所)前庭で食事を差し上げる前のお清めをする神職さん。 


18-IMG_3438.jpg  

メニューの基本はお水、お塩、ご飯の三種。これに時節の野菜や魚、海草などを添える。米、塩、酒、野菜などはすべて神宮の御料地でつくられる。専用の漁場はないが鳥羽の国崎で熨斗あわびを、伊勢湾の端にある篠島で鯛の干物をつくる。 さらに、料理を盛る一度限りの食器も自家製とあってはいかなグルメもかなわない。 写真上は神宮御園で育つ瓜。
 


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> 先日、お伊勢さんに参拝させていただいたので、おもしろく読ませていただきました。
> 伊勢に住んでいるなんて、羨ましいです。
> 大変勉強になります。
> たくさんの人たちがこのサイトを訪れますように。

応援、ありがとうございます。
この酷暑の中、よくぞご参拝を。
今度は是非、秋、冬の伊勢神宮を楽しんでください。
特に、神宮の冬が好きです。

  • 2010-09-04 08:58
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プロフィール

mimosusor

Author:mimosusor
伊勢に生まれながら小さいときから都会大好き。中学校を終えると、ひとりで大阪の学校へ進み、その後は東京で就職。しかし、日本最大の都会にも物足らず、世界の大都会ニューヨークへ。あぁ、ここぞ探していたわが棲み処、もう動くまいと感涙にむせびながら腰を下ろしてから十余年。

仕事で一時帰国していたとき帰郷したのが事の始まりというか終わりというか、「ニューヨークへ帰るの、やめた。伊勢に住む!」となりにけり。

そのわけ?なんたって伊勢神宮ですよ。何十年ぶりかで訪れた伊勢神宮をひとめ見るや打ちのめされてしまったのです。なにが、なにに、なにしたのか。その顛末はブログをどうぞ。

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