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4. 伊勢大神楽

 

18-CIMG3406.jpg

伊勢神宮の内宮さんを歩いていると笛や太鼓の音が聞こえてきた。懐かしの音色に惹かれて寄っていくと伊勢大神楽のお獅子の奉納舞だった。江戸時代に伊勢神宮へのおかげ参りがブームになったとき、参拝できないひとびとのために増田神社(三重県桑名市)の社中が伊勢神宮の御札をもって近畿・北陸・中国地方をまわって獅子頭をご神体に家々を祓い清め、鎮守社境内で遊びや曲芸を披露してひとびとを楽しませたのが始まりとされている。
  
最盛期に12あったという組は半減したが今も健在で、毎年12月23日には増田神社に集まって祀りを行い獅子頭を清めて、翌24日には伊勢大神楽の全舞曲を奉納するときいて、行かずにいられようか。木枯らし吹く寒い冬の朝、桑名へ向かった。

●鈴の舞 
まずは伊勢神宮へ遥拝して始まる鎮魂の儀式から。二頭の獅子が左手に御幣、右手に鈴をもって、優しく振り鳴らしながらゆっくり鈴の舞、♪ぴ~ひゃらぴ~ひゃら。鈴と笛の音が優しく流れる。

●四方の舞い
天狗のようなご面相の猿田彦神(さるたひこのかみ)が二頭のお獅子と登場。この異相の神さんは倭姫命(やまとひめのみこと)が天照大神のご鎮座場所を求めて各地を巡行されたとき案内役をつとめた道祖神として知られる。

猿田彦神がササラをかき鳴らすと、それにつられてお獅子も頭を左右左と激しく振って天地四方の悪魔を祓う。二頭がにらみ合ったり、飛んだり跳ねたり、まさに獅子奮迅のお働き。

18-CIMG2240.jpg

やがてお獅子は踊り疲れてグーグー。なんとか起こさねば。猿田彦神は獅子の周りを飛び跳ね、ササラをかき鳴らす。鶏の鳴き声を真似た笛の音で、ガオーッ!と目覚めたお獅子二頭、また元気に頭を振り振り乱舞する。 

●放下芸 (ほうかげい)
獅子舞の合い間は皿回しに軽業、そしてお笑い。どれも新鮮で見応えたっぷり。 チャリ師(道化師)と呼ばれるアホ役も加わって、曲芸士と萬歳のような掛け合いがおもしろい。

●献灯の曲
曲芸士が体をぐっと反らせて顎で台をしっかり支えると、脇から茶碗が差し出される。それを小さな台に載せるとまたひとつ。先に載せた茶碗をチンチンと叩いてバランスを確めながら慎重に載せていく。次から次へと差し出される茶碗。
今にも、ガラガラッ!という音が聞こえてきそうでドキドキハラハラ。かたずを呑んで見守っているうちに茶碗の数は驚きの12個?!天照大神のお恵みに感謝して一年分12個の灯明になぞらえて奉る献灯の舞に、やんやの喝采。

しかし、見せ場はこれからだった。この若い曲芸士、頭上高くに持ち上げた茶碗の「灯明」を右手のひらで台の支柱を支えながら、手拍子と太鼓にあわせて笛を吹いたのだ。びっくり仰天している間もなく次には笛の先で茶碗灯明を支えて笛を吹いてのけた!論より証拠の写真をご覧あれ。

さぁさぁ、まだまだ。お楽しみはこれからだ。

●魁曲(らんぎょく)
これでもか、これでもかの芸が飛び出す伊勢大神楽。その最後を飾るはお獅子の花魁道中。神宮参拝をした後のお楽しみは江戸・吉原、京都・島原と並ぶ日本三大遊郭のひとつ、伊勢・古市での精進落とし。肩の上にすっくと立ったお獅子花魁、伊勢音頭にあわせて踊ったり、
日傘をさしてしゃなりしゃなりと古市の賑わいを演じる。

18-CIMG2855.jpg


8-CIMG2884.jpg 
   おや、今度はお獅子の肩で
   袖で顔をかくして、なにやらもぞもぞ。
   袖を下ろすと…おかめさん、こと天鈿女命
   (あまのう ずめのみこと)に変身!
   お獅子もガオーッ! 
   遊べや、遊べ。

   これにて招福、開運。 
   伊勢大神楽も、めでた、めでたの
   ハッピーエンディング!
 

CIMG2881.jpg     

伊勢大神楽は1981年に無形民族文化財の指定を受けた伊勢大神楽講社に所属して、各地で配る御札も伊勢神宮のものから伊勢大神楽講社のそれへと代わったが、昔と同じように年に一度、同じ時期に同じ順で各地の家々をまわる。ひとびともお獅子を神さんの使いとして暖かく迎えてくれる。    
 
12時半に始まった総舞が終わったのは午後4時近く。陽は傾き寒さが一層増してきた。小さな境内に詰めかけていた見物人もあっという間に消えて、後にはせっせと後片付けをする若者たちの姿だけが残った。みんな修行中の若者か。「そうなんです。一時は後継者不足に悩まされましたが、この頃は若いひとが集まってきてくれまして、ありがたいことです」と組の長老格が皺だらけの顔をほころばせた。

一年中、「また来年な」、そんな挨拶を交わしながら各地を巡る旅の日々。古い伝統や習慣がすたれていく昨今、それほど割りの合う職業とも思えないが若者たちの表情は明るい。

「“毎年ご苦労さんでございます”そう言うてもらえると、代々守ってきたひとびととの絆を感じて、旅の日々を生きていてよかった、そんな気分になります。ささやかやけど少しは世の中の役に立ってるんや、そう思うてホント救わます」
NHKのドキュメンタリー「青春は獅子と共に」で紹介された伊勢大神楽修行中の若者の言葉だ。

 

 

                       
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プロフィール

mimosusor

Author:mimosusor
伊勢に生まれながら小さいときから都会大好き。中学校を終えると、ひとりで大阪の学校へ進み、その後は東京で就職。しかし、日本最大の都会にも物足らず、世界の大都会ニューヨークへ。あぁ、ここぞ探していたわが棲み処、もう動くまいと感涙にむせびながら腰を下ろしてから十余年。

仕事で一時帰国していたとき帰郷したのが事の始まりというか終わりというか、「ニューヨークへ帰るの、やめた。伊勢に住む!」となりにけり。

そのわけ?なんたって伊勢神宮ですよ。何十年ぶりかで訪れた伊勢神宮をひとめ見るや打ちのめされてしまったのです。なにが、なにに、なにしたのか。その顛末はブログをどうぞ。

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