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35. 初詣の謎

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ここ数年、伊勢神宮への参拝者は増えに増え、昨年にはついに記録をとり始めてから最高という860万人余に達した。そんな上り調子の伊勢神宮だが、昨年暮れから正月にかけて全国を襲った寒波には勝てず正月三箇日の参拝者は前年より少なかった。とはいえ、やや寒の緩んだ5日に内宮へ行くと正宮拝所への石段はぎっしり超満員。「両端は空いてます。どうぞ両側をお進みくださ~い!鳥居もくぐれます!」。係員が声を枯らすが、真ん中ぎっしり両端がらがら。それを見れば、足は自然に真ん中へ。

なぜ真ん中か。ほとんどのひとは、みんなが待つからにはこっちの方が大きなご利益に与れるのだと合点して人波に加わる。ワタシもそうだった。五十鈴川から吹き上げる冷風寒風に震え上がりながら石段で待つこと2時間余。真ん中参拝を果たすや神苑で焚かれているかがり火へと走り、ふるまわれた温かい甘酒を神の助けのようにすすった。

なぜ真ん中か。伊勢神宮の「謎」を解くには常にその起源に遡ってみることだ。伊勢神宮はもともとが日本の皇祖神をまつる神の宮として天皇のお傍におかれ、天皇が朝な夕な神のご加護に感謝し、国のさらなる繁栄と安泰を祈願してきた。やがて伊勢に鎮座することになり五十鈴川の上流に社殿が創建されたが、そこに一般国民が参拝できる拝殿や祈祷所はなかった。

時が流れ、国民の間に参拝熱が高まってくると、御師と呼ばれた神職が自邸に祈祷所を設けてそこで祈祷や神楽が行われるようになった。明治時代に御師が廃止されたため、内宮と外宮に祈祷所が設けられた。それが今の神楽殿である。しかし、正宮に続く拝殿はそうもいかないのか、今に至るも設けられていない。そんなはずはない、石段を上って拝殿でお参りをしたという方は上と下の写真をよくご覧いただきたい。内宮は石段から上は撮影禁止なので、どちらも外宮の拝所だが内宮も事情は同じこと。そこに拝殿はなく、外垣の門に用意されたただの拝所であることがお分かりいただけるであろう。

18-R0010913.jpg 

神域をとりまく四重の垣の正宮に直結するところが拝所にあてられている。白い布の御帳(みとばり)が風に舞うと向こうが丸見えになる。手を合わせながらつい覗き込んでしまうが、なぁに、見えるのは正宮をとりまく別の社殿と垣だけですよ。

賽銭は地面に敷かれた白布へ入れるので、硬貨もお札も剥き出し。年々硬貨が増えていくようで神宮さんは大丈夫かと余計な心配をしてしまう。午後三時頃になると、白衣に緑や水色の袴をはいた地元の銀行のひとが地面に敷いた敷布を両側からたぐりよせて丸め、新しい白布を敷いてから、賽銭の袋を肩にかついで拝所を出ると、近くに留めた台車で運び去る。 森の小道などで襲われないのだろうか気にかかるが、いくらご時勢とはいえそんな罰当りはいないわよと友人が笑う。

18-IMG_2065.jpg 

さてそこで、「なぜ真ん中か」だ。年末年始の参拝者が増える時期になると、外宮はそのままだが、参拝者の多い内宮では流れをよくするために拝所にあてている垣の幅を臨時に広げ、賽銭用の敷布も延ばす。石段のサイドストリートを上ってきたひとたちは、鳥居はくぐれるが、そこからは仕切りの綱が張られているので正宮正面の拝所には進めず、臨時に延長された端っこで垣に向って参拝する。新年早々、端っこ参拝ではご利益もひと様のお余りをいただくようでどうもスッキリしない。年のはじめくらいは長く待ってもいいからメインストリートを進み、正宮のまん前でしっかりお参りして、たくさんのご利益に預かりたいと誰だって思うではないか。ワタシの唱える正月の石段真ん中混雑説である。

以前は両端を進んだひとたちは鳥居もくぐれず、サイドストリートとメインストリートは半分に割った竹ではっきり仕切られていた。神宮も石段の混雑緩和のためになんとかサイドストリートをご利用いただこうと、年々工夫をされているようだが、臨時の端っこ参拝が変わらない限り、ひとびとの足は真ん中へ向う。拡声器を使って繰り返されるサイドストリートお勧め案内も参拝者に真ん中のほうが得という印象を強めるだけで逆効果ではないだろうか。
 
伊勢に住んで神宮通いをはじめた頃のある朝、なぜか陽が昇る前にぱっちり目が覚めてしまったので、薄暗い中をお参りに出かけたことがあった。正宮への石段で散水車がたっぷりの水をまいていた。それが終わると、お掃除のおじさんが現れて石段上から長い箒で丁寧に一段ずつ掃きはじめた。その鮮やかな箒さばきに見とれながら掃除が終わるのを待った。やっと終わったのでおじさんに挨拶をしてから、いざお参りへ。ワタシが本日最初の参拝者だという緊張とよろこびに湧きながら、石段の真ん中に足をかけた途端、「真ん中は神さんの通る道です。端を歩いてください」と注意されてしまった。それからはいつも石段の端を上って参拝しているが、初詣で真ん中に立つとあのときのおじさんのちょっと怖いお顔が浮かび、初詣だけはどうぞご勘弁を、とおじさんにお願いしている。

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お守りや御札を売る授与所(左)、それに続く神楽殿(右)は明治時代につくられた。 


18-IMG_4119.jpg
お正月には奉賛会のひとたちが温かい甘酒をふるまってくれる


  

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mimosusor

Author:mimosusor
伊勢に生まれながら小さいときから都会大好き。中学校を終えると、ひとりで大阪の学校へ進み、その後は東京で就職。しかし、日本最大の都会にも物足らず、世界の大都会ニューヨークへ。あぁ、ここぞ探していたわが棲み処、もう動くまいと感涙にむせびながら腰を下ろしてから十余年。

仕事で一時帰国していたとき帰郷したのが事の始まりというか終わりというか、「ニューヨークへ帰るの、やめた。伊勢に住む!」となりにけり。

そのわけ?なんたって伊勢神宮ですよ。何十年ぶりかで訪れた伊勢神宮をひとめ見るや打ちのめされてしまったのです。なにが、なにに、なにしたのか。その顛末はブログをどうぞ。

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