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40 神楽さまざま

10-銀鏡神楽チラシ(1)
梅雨のうっとうしい雨が降るなか、千駄ヶ谷の国立能楽堂へと急いだ。これまで地元以外では伊勢神宮や宮崎神社などで数回披露しただけという、宮崎県の銀鏡(しろみ)神楽を見るためだ。

ところが国立能楽堂の門はぴったり閉ざされ、人の姿もない。なにやら嫌な予感がして切符を確かめるとが~ん!三宅坂の国立劇場ではないか?! 今からで間に合うか。まずは友人に連絡をせねばと携帯を鳴らすと、「ワタシも能楽堂へ行ってしまい、目下、タクシーで移動中」とうれしそうな声を上げた。

二人とも神楽なら、能楽堂だと早合点してしまったのだが、国立劇場の舞台に現れたのは雅やかな巫女さんでも色鮮やかな衣装を纏った舞い方でもなかった。今日を生きられたことを神さんに感謝し、神楽を捧げて明日を生きるための祈願をする、厳しい山間に生きるひとびとだった。

そもそも神楽とは何なのか。古事記や日本書紀によると、弟のスサノオの命の狼藉を悲しんだ天照大神が天岩戸に籠ってしまい、世の中が闇に包まれたとき、八百万の神々の発案で、アメノウズメの命が岩屋の前へ進んだ。トントントン。裸で踊り始めるとやんやの喝采。いったいなに事かと大神が岩屋のすき間から覗いたところを力持ちの神さんがぐいっと岩戸を開けて、世にまた光が戻ったそうだが、これが神楽の起こりでもあった。

それにしても伊勢神宮で親しんだ神楽とあまりに違う。調べてみると、神楽は宮中で行われている御神楽(みかぐら)と民間の里神楽に大別され、そこから巫女が舞う巫女神楽などいくつも枝分かれしていることがわかった。

伊勢神宮で行われているのは大々神楽(だいだいかぐら)と呼ばれるもので、太古から天照大神のご加護に感謝を捧げるために奏する神遊びである。江戸時代にお蔭参りがブームになったとき、ひとびとの憧れは伊勢で大々神楽をあげることであったといわれるが、当時は神宮内で庶民が祈祷を上げることは禁じられており、御師(おんし)と呼ばれた祈祷師の屋敷で執り行われた。今、その役割を果たしているのが明治時代に新たに作られた神楽殿である。 倭舞と人長舞からなる大々神楽の料金(初穂料)は5万円を超えるが、神さまに願い事を捧げて祈祷してもらい、神楽を楽しみ、帰りにはお供え物のおすそ分けや御札やあれこれのお土産がたっぷりいただけるから損はない。ただし、長い正座には泣かされる。

        内宮の神楽殿
18-IMG_0028.jpg  
 
もっと気楽に無料で神楽を楽しめるのが、春と秋に開かれる神楽祭である。巫女さんや男性の踊り方が五穀豊穣を祈って午前と午後に、華やかな衣装で舞ってくれる。雅楽を奏でる楽師たちも充実している。なかでも、春を告げてくれる胡蝶の舞は人気が高い。

18-R0021217.jpg 


伊勢神宮のように全国から参拝者がやってくるところはともかく、地方の神社では昔から受け継がれてきた里神楽の存続が危ぶまれているところが多い。、今回東京で披露された銀鏡神楽もそのひとつ。お恥ずかしいことに宮崎県西都市がどこにあるのか知らないほどだから、西都市から川をずうっと遡った険しい山間部に位置するという銀鏡地区を知る由もない。そんな厳しい環境にありながら縄文時代からひとが住みつき、焼畑と狩猟を中心とする生活が営まれてきたというが、近年お定まりの過疎化に悩み、若いひとたちは町を離れてしまい、銀鏡神楽を引き継ごうにも引き継ぐべきひとがいない。

これまで、「神楽は神さまに奉納するもので、見世物ではない」という言い伝えを守ってきたが、見せないから知られない、知られないからひとが来てくれない、町の若者たちは出て行く――そんな悩みを抱えての東京公演だった。天照大神を祀る祭壇には猪頭が供えられ、注連縄が張られた舞台で、50代後半がほとんどいう保存会のみなさんが地元の6柱の神さんを迎えて、神さんへの尊敬と祈りをこめて全身で奏で、舞った神楽は全員が舞台に揃って神さんたちを見送ったところで終わった。毎年12月に一昼夜をかけて行われる銀鏡神楽が、幾久しく受け継がれんことを願って観客から大きな拍手が送られた。



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Author:mimosusor
伊勢に生まれながら小さいときから都会大好き。中学校を終えると、ひとりで大阪の学校へ進み、その後は東京で就職。しかし、日本最大の都会にも物足らず、世界の大都会ニューヨークへ。あぁ、ここぞ探していたわが棲み処、もう動くまいと感涙にむせびながら腰を下ろしてから十余年。

仕事で一時帰国していたとき帰郷したのが事の始まりというか終わりというか、「ニューヨークへ帰るの、やめた。伊勢に住む!」となりにけり。

そのわけ?なんたって伊勢神宮ですよ。何十年ぶりかで訪れた伊勢神宮をひとめ見るや打ちのめされてしまったのです。なにが、なにに、なにしたのか。その顛末はブログをどうぞ。

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